管理の”ベネフィット” 2017.08.15
”管理”というものを理解していない人が必ず口にする言葉がある。
それは、「管理をするベネフィットは何だ?」ということだ。
そしてそういう言葉を口にする人にさらに共通しているのは、「ベネフィットは売上や利益を作ること」という認識を持っているというもの。
管理というものはそもそも、直接的に売り上げを作ったり、利益を生み出したりするものではない。
対処しなければならない何らかのリスクがあり、そのリスクを組織として受容可能なレベルにするために導入する施策をいう。
つまり管理のベネフィットとは、リスク値を下げるということだ。
だから、リスクの認識のないところで管理などする必要はないし、管理の価値などわかるわけがない。
管理は確かにコスト増になるものだ。
けれどそれは、それまでにしなければいけなかった管理をしていなかった、すなわち、減じるべきリスクを減じる措置を取ってこなかったということであり、本来必要なコストに他ならない。
「管理はコスト増」などと口にする人は、組織の継続性(事業継続)を考えていない人間だということを自ら暴露しているのだという認識を持った方がいい。
管理の必要性を感じないのならそれでかまわない。
けれどそれは、管理をしないことによるリスクを自分で背負うことの覚悟が必要だ。
その覚悟のない人間に、管理のベネフィットなど求める資格はない。