「やりたいこと」の思い違い Vol.2122
やりたいことだけやりなさい、とか、やりたくないことはやめなさい、といった言葉が一人歩きしている。
こういう言葉がはやると「これ幸い」とばかりに金科玉条のように掲げ、自分を正当化するバカが増える。
やりたいことをやるというのは、やるべきことを放り出して良いということではない。
やるべきことをやった先にあるものだ。
やるべきことは、他にやりたいことがあろうとなかろうと、例えそれがやりたくないことだろうと、やらなければいけないもの。放り出してはいけないものだ。
そもそも、やりたいことができないとか、やりたいことが見つからないと言って仕事を変える人は、仕事に真摯に向き合うことをしない人だ。
こういう人は大抵、この言葉を、逃げる口実や怠ける口実に使っている。
そして、やりたいことをやれば苦しいことはない、つらいことはないなどと、都合のよい思い違いをしている。
人は誰も、自分に都合のいい解釈をしたがるものだ。
だから、選択の時には必ず自問自答しなければいけない。
「この決断は逃げなのか?逃げではないのか?」
忘れてはいけない。
やるべきことに尻尾を巻いて逃げた先に、満足できる場所はない。