「職務に忠実」の勘違い Vol.2139
真面目な人ほど、与えられた職務に忠実であろうとする。
職務に忠実であることが、組織に忠実であると信じている。
けれど、それは必ずしも正しいことではない。
組織に忠実であるということと職務に忠実であるということは、イコールにはならない。
そこには、それをつなぐべきものとして、「お客様のため」という考え方が必要だ。
職務を全うする目的は、お客様の満足でなければいけない。
「職務に忠実」な結果、お客様の満足度を下げていたのでは、何の価値もない。
何もお客様を神様などというつもりはない。
お客様の言うことを何でも聞けなどというつもりもない。
お客様がいくら「こうして欲しい」、「あれが欲しい」と言っても、それが本当にためになるものでないと信じられるのなら、それは断らなければいけない。
断ったうえで、その先の提案をしなければいけない。
また、そのお客様の要望が、他のお客様に、直接的にも間接的にも迷惑をかけるものであってはいけない。
その上で、職務を遂行する。
そのために、職務を遂行する。
それに反する行為は、どこにどんな規則として書かれていようと、それは誤りであることをわからなければいけない。
ただ言われた職務、書かれた職務にのみ忠実であるということは、物を理解する能力のない人間だということを自ら証明していることに他ならない。
組織にとって大切な行動は何かを考えて動くということ。
それが職務に忠実であるということだ。