立つなら惜しまれること 2017.03.10
あの人はいいなあ、とか、あの仕事なら今の仕事よりいいなあとか。
人は少しでも傷んでくると羨ましいものが増えていく。
それが、ある閾値を越えたとき、そっちの方へ踏み出してしまう。
そうして大抵は失敗する。
隣の芝生が青く見えるのは、まず、気のせいだ。
今がしんどいから、
けれどそこから離れる正当な理由が見つからないから、
隣がよく見える。
要は、そこから逃げ出すのに、いいわけを探しているだけのこと。
逃げるのは癖になる。
だから、次もまた逃げ道を探すようになる。
そこから出ていくなら、出ていきたいなら、まず、惜しまれるようになってから。
惜しまれる前に出ていくやつには次の場所もない。
惜しまれる立場にないのに青く見える芝生があったら、それは逃げたい自分が出てきた証拠。
立つのは惜しまれてから。