フィールドワーク 2016.11.08
「やってなんぼ」から、「言ってなんぼ」になったのはいつからか?
「経験もしとらんくせに、偉そうなことを言うな!」
昔はよく、そう言われたものだ。
だから、先輩の経験を尊重したし、はやく自分も経験を重ねなければならないと思った。
それがいつの間にか、経験するよりも想像できる人間の方が偉いと評価されるようになった。
どこまで考えを巡らせられるか?
そのためのロジックが流行り、それを体得することで、「考えられる人間」として評価されるようになった。
そうして、経験はあたかも無駄のように扱われ、経験しなくとも考えられる方が、貴いとされるようになった。
確かに、「考える」という行為はとても大切なものだ。考えることなしにやみくもに歩いても、なかなか出口は見つけられない。
けれど、考えることが尊ばれすぎた結果、「実際に動く人」と「動かす人」ができてしまった。
要は、考えるだけの人と、やるだけの人だ。
ここで、よく考えてほしい。
出口を探すには、動く前に考えることが近道だ。
けれどそれは、考えたうえで動くことが前提となっている。
考えるだけでは出口からは出られない。
まず、考える。
そうしてそれを実証するために動く。
考える、と言う行為は、必ず検証するという行為とセットでなければならない。
それがフィールドワークというものだ。
考えるだけの人間は、口だけの人間と全く一緒だ。
考えたら、やってみる。
それをしない人間には、いつまでたっても、本当のことは見えてはこない。